紙バンドのかごバッグ,大切な思い出とともに
こんにちは。山のかご編み屋さんこと、keitamaです。
しばらく前になりますが、ある方から相談を受けました。
娘さんが3年間使ったがごバッグがあるのだけれど・・・
今はもう使うことはないが、思い出がいっぱい詰まっていて
捨てることも出来ない、どうしたものかということでした。
見せていただくと、3年間電車通学に使われていた というだけあって
それはそれは使い込まれたものでした。
写真ではよく分かりませんが、
全体に薄汚れて 持ち手は茶色に黄ばんでいました。
底部分のかどの紙バンドは 2本幅の3本縄編みでしたが、
擦れてちぎれているところもありました。
不思議なのは、使っている時は古くなってきても
割と違和感なくつかえるのに、一旦使うのをやめて置いておくと
まるで魂が抜けてしまったように古びてしまい、
もう使うことが出来ない気がしてしまうことです。
飾っておくにしても もう少し見栄えよくしてあげたいと思いました。
このかごバッグを見たときに、
それとともに大切な思い出もよみがえるように。
表面を布で拭いて見たり、切れた紙バンドを補修したりと
いろいろ試みてはみましたが、
きれいに再生させることは出来ませんでした。
そこで、同じデザインでもう一度作ってみようと
思いつきました。
もちろん、新しいかごバッグが 代わりになるわけはありませんが、
どうにもすることが出来ないのがもどかしくて・・・
そんな思いを 相談にいらっしゃった方に話してみると、
「真新しいかごバッグを見ると入学した頃を思い出します」
と懐かしんで下さいました。
高校生の娘さんが通学するときに使うセカンドバッグとして
紙バンドのかごバッグが欲しい ということだったらしいのですが、
「高校生が通学に使うのは珍しいなぁ」と自分の娘ながら思ったことや、
娘さんが電車に乗っている時に 他のお客さんから
「このバッグ、素敵に編んであるね」と話しかけられた事など
話してくださいました。
かごは再生出来なかったけれど、ラッピングしてお返ししました。
今は 新旧ふたつのかごを 並べて飾ってあるそうです。
今日もお付き合いいただき、ありがとうございました。
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